映像編集は座らずに立ったままですると良いことだらけだった!


一冊の本が私にある決意をもたらしました。それは、
「編集を立ったまま行うこと」です。

その本とは「映像の瞬き」(ウォルター・マーチ著)です。
そもそもこれまでに映像編集をする人で立って編集をする人を私は見たことがありませんでした。アメリカの大学で映画を学んでいた時も見た記憶がありませんし、テレビ業界に就職してからも立って編集をする人など見たことがありません。誰もが椅子に座って編集します。皆さんの回りにも立って編集をする人などいないのではないでしょうか?

しかしウォルター・マーチさんは違いました。彼はハリウッドでは大変有名な編集マンで『地獄の黙示録』や『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞を受賞している凄腕編集マンですが、その彼が立って編集をするというのです。

座ろうと思えばいつでも座れるけれど、ほとんどの場合…二本足で立って作業する。いつも立ったままで、まるでガンマンのように、できるだけ素早く反応できる状態に身を置きたいのだ。全身を使って作業することで編集プロセスは大いに活性化されるものだと、私は信じている。(『映像の瞬き』より)

彼はムビオラやKEM、スティーンベック、Avidにいたるまですべて立って編集してきました。確かに昔のムビオラは立って作業するに直立型のマシンでした。

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しかし、スティーンベック以降では作業は座ってするものに変わっていったのです。現在至ってはそんな歴史的なことも知らず皆さん普通に座って編集をしていることと思います。

だいたいこれで立って編集することなど微塵も考えたことなどない中で、本当に立って編集することにメリットがあるのでしょうか?座って作業をする方が楽でいいような気がしてしょうがないと思われる方も多いことでしょう。

私自身は、立って編集し始めてから3ヶ月ほど経過しました。はじめはこのことを友人や知り合いに話すと笑われたり、ちょっと小馬鹿にされたり、1ヶ月も続かないと宣言されたりしました(でも、そう言いたくなる気持ちも充分に理解できます・笑)。

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以前の編集デスク

でも、実際に初めて見ると、これが実は癖になるほど心地よいことがわかったのです。個人的には足腰が健康なうちは立って編集し続ける覚悟です(笑) その理由としていくつかご紹介しましょう。

まず、以前の座って編集するスタイルでは肩や腰がすぐに痛くなったりしていましたが、立って編集し始めてからはそんなに痛くなることはなくなりました。長年我慢して座って編集していましたが、これで解消された気分です。椅子を高級なものに買い換えたりする必要もなくなりました。有り難いことです。
そして、作業効率は確実に上がりました。集中力が断然違います。立ち仕事は座り仕事と違い疲れやすいということがあります。しかし、そのおかげで作業に集中して少しでも早く仕上げようとがんばるようになります。疲れたら座ればいい。でも座るってことはつまり休憩していることと同じになってしまいます。休憩は必要ですが、facebookなんかチェックしたりしているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。座ってノートパソコンなんていじっていると「あ、仕事していないぞ!」と考えるようになります。

座るとだらけて仕事をしますが、立って仕事をする場合は集中します。座りながらプレビューをしていると眠くなりますが、立ってプレビューをすると眠くなりません。仮につまらない素材をプレビューし始めたらちゃんと飛ばします。ダラダラ作業をしていたら限りある立ち仕事時間を無駄にすることになるからさっさと切り上げるようになります。

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現在の立って編集するスタイル

この編集システムは自分の背の高さに合わせて作る必要があるので、私の場合はホームセンターで売っているスチールラックを組み立てて専用の机を作りました。これなら高さ調整も楽に行えます。このシステムのおかげで編集は効率よく出来るようになりました。3ヶ月続けても止める気がしないので今回ブログに書き留めておこうと思った次第です。

ちなみに、立って仕事をしたほうがいいのは何も編集に限ったことではないようです。例えば会議などは立って行った方がいいのではないでしょうか?誰もがダラダラ会議は好きではないと思いますが一向に無くなる気配はありませんね。これを立って会議するように変えることが出来れば「早く終わりたい」と思えるはずです。
しかも、人間の体は「覚醒状態」から「生理的疲労状態」に90分間隔で移行していくことが科学的に証明されています。仕事は90分単位で区切りをつけて、休息をしっかりとることが生産性を最大限に高めるのです。

私も編集は90分程度集中的に行って休むよう心がけています。